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2.見た目の理解しやすさ

2-1.階層構造を意識して見出しをつける(180831)

2-1-1.見出しの重要性について

2-1-1-1.見出しをつけることの意味

なぜ見出しをつけるかというと、「ここからの内容は〇〇について書いています」と読み手に情報を与えることで、スムーズに読んでいただく・読み手に読みたい場所を見つけやすくさせる、などの目的があります。
長い文章なのに見出しがないと読みにくいので、適度に見出しをつけることをお勧めします。

また、見出しの階層構造を示すことで「文章のカタマリの関係」がわかりやすくなります。文章のカタマリとは、見出しと見出しの間の文章のことをさします。
「大見出し」「中見出し」「小見出し」や「見出し1」「見出し2」「見出し3」などが階層構造になります。
通常は、階層構造のことを意識しないでも、見出しをつけていれば自然と階層構造ができていると思います。
しかし、文章が長くなり重要度が高くなった箇所は、「詳細は後述する」などにして1つ上の階層に移動して目次でも目立つようにする、ということもあります。
階層構造は、読み手の理解度のためだけではなく、内容の重要度(大きい見出しの方がより重要)にもかかわるので、そのようなことを意識して執筆されることをお勧めします。
編集作業でも、上記のようなことを踏まえて、見出しの追加や階層の移動を提案させていただくことがあります。

簡単にまとめると、
・内容が変わったら見出しをつける
・文章のカタマリの重要度が変わったら階層を変える
などをした方が読みやすくなります。

では、内容が変わるので同じ階層の見出しをつけます。

2-1-1-2.見出しに番号をつけて階層構造を明確にする

いただいた原稿で見出しに関する一番大きな問題は、「見出しの番号などがないので階層構造がわかりづらい」というものです。
単に、見出し部分を改行しているだけの場合などは、文章を読みながら「この見出しは大見出しかな」「この見出しは小見出しかな」など、階層構造を考えながらデータを作成していきます。

例えば、以下のような文章があります。

見出し番号がある例

1.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
1-1.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
1-2.見出し
1-2-1.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
1-2-2.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

2.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
2-1.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
2-2.見出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

見出しのフォントの種類やサイズを変えるなどのデザインをしていませんが、番号がふってあるので階層構造はわかりますよね。
この文章を、番号をとると以下の文章になります。

見出し番号がない例

見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
見出し
見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
見出し
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

当然ながら階層構造はわからなくなります。
読まないと階層構造はわからないですし、執筆中でもわからないと思います。

見出しをつけることは読み手に情報を与えるためだけではなく、執筆する際にも自身が「文章のカタマリの関係」を理解するために必要であり、階層構造を理解するために見出しに番号をつけることは重要です。
もちろん、上記のようにハイフンで番号をつなげる以外の方法もいろいろとあるので、お好きなつけ方をお試しください。
なお本連載では、見た目でわかりやすくするために敢えて長い番号をつけています。

ということで、次からは内容が少し変わるので、1つ上の階層に移動します。

2-1-2.見出しをつけることを意識する

前述のように、話しの内容が変わり、かつ、それなりに文章量がある場合は見出しをつけた方が読み手の理解を助けます。

経験上、大きな見出しは書かれていることは多いのですが、小さな見出しが書かれることは多くはありません。
小さな見出しは、つけすぎるとうるさくなるのですが、「話の内容が変わった」ときや「これからこの内容を意識して読んで欲しい」「内容がいくつかのテーマに分かれる」などの場合はつけることをお勧めします。
実際、編集作業としてこれらの意味をこめて見出しを提案することがあります。

見出しは読み手によって理解を助けるものになりますので、「ここで見出しをつけた方がわかりやすいかなー」などと見出しをつけることを意識しながら執筆されることをお勧めします。

例えば、後述「2-1-4 Wordやブログでの見出しのつけかた」では、見出しをつけることで2つのテーマ(Wordとブログ)が本文中およびページ上部の目次一覧で目立つようになりました。

2-1-3.文章の内容がわかるような見出しをつける

見出しの書き方もいろいろあります。

・内容を要約したもの、疑問形式にしたもの、単語だけや単語をつなげただけのもの
・柔らかいもの、かたいもの

原稿や媒体のコンセプトにあわせて、見出しの書き方を調整することをお勧めします。
例えば、以下のような感じなります。

・易しい、わかりやすい原稿だから、文章を読まないでも内容がわかるような見出しにする
・専門性が高い原稿だから、かためのしっかりとした見出しにする
・専門性が高いけれど初学者向けなので、とっつきやすい見出しにする
・疑問形の見出しにして興味をもたせて、文章を読ませる
・見出しをきっかけにして読んでもらいたいから、興味をもたせる文言にする

執筆する原稿や媒体のコンセプトを踏まえたうえで、見出しのつけかたを検討してみてください。

2-1-3-1.書籍の場合

書籍では、目次を見てどのようなことが書かれているかを確認することがあるかと思います。

目次には、原稿タイトルだけではなく、見出しも書かれていることが多いと思いますので、その書籍を読もう・買おうと思わせる要素の1つとして、見出しのつけかたは重要になります。
目次を見て、面白くなさそうだな・役に立たなそうだな、などと思われないように上手に見出しをつける工夫が必要です。

2-1-3-2.ブログの場合

ブログの見出しは、SEO対策読ませるためのきっかけ、に必要となります。

SEO対策としては、<h1>などで見出しを設定すると効果があるといわれています。

また、ブログの文章が長い場合、見出しを見て興味をもったから本文を読んだという経験があるかと思います。逆に、見出しに興味をもたなかったので本文を読まない経験もあるかと思います。
知り合い以外の人にも読んで欲しい場合は、WEBは情報の取捨選択が激しいので、読んでもらうためのきっかけ(フック)として、タイトルや見出しは工夫が必要になります。

2-1-3-3.見出しの一覧を作る

また、見出しの一覧を作ると何か発見があるかもしれません。

見出しの一覧を見るだけで何が書かれているかがわかりますし、他の見出しと比較してかたすぎるもの・柔らかすぎるもの・文章の構造が違っているものなどもわかります。共通見出しをつける原稿の場合は、見出しのモレなどもわかります。

Wordでの見出し一覧の作り方については、後述します。

2-1-4.Wordやブログでの見出しのつけかた

2-1-4-1.Wordの場合

Wordで原稿を執筆されるときは、
・Wordの機能のスタイルで見出しを選択する
・番号をつけて見出しをつける
・自身で大・中・小の3つ程度の見出しスタイルを作成し使用する
などを推奨します。
ちなみに私は、ちょっとした資料やレポートの場合は、3番目のように自分でスタイルを設定して使用することが多いです。

長くなる原稿の場合(見出しにデザイン性が必要ない場合)は、Word機能のスタイルで見出しをつけつつ、見出しをつけた目次も用意します。

見出しをデザインしたい場合は、デフォルトの「見出し1」「見出し2」などの書式を変更するか、自身で設定したスタイルを目次のオプション設定で選択することで可能になります。

2-1-4-2.ブログの場合

<h1>や<h2>などのタグを使えなくても、ブログなどでは、機能(Amebaブログでは大見出し・中見出し、Wordpressでは見出し1・見出し2など)を使用すれば見出しが簡単に作れることが多いです。

SEO対策にもなりますので、階層構造を考えながら使用してください。

2-2.箇条書きにして見やすく・わかりやすくする(180831)

箇条書きにする(提案する)ことは、理解度を上げるためによく行う編集作業です。

通常、文章を書いていると、箇条書きにしないで文章で繋げてしまいがちだと思います。
例えば、1つ前の原稿に以下の記載があります。

箇条書きアリ Wordなどで原稿を執筆されるときは、
・Wordの機能のスタイルで見出しを選択する
・番号をつけて見出しをつける
・自身で大・中・小の3つ程度の見出しスタイルを作成し使用する
などを推奨します。

箇条書きをとると、以下のようになります。

箇条書きナシ Wordなどで原稿を執筆されるときは、Wordの機能のスタイルで見出しを選択する、番号をつけて見出しをつける、自身で大・中・小の3つ程度の見出しスタイルを作成し使用する、などを推奨します。

このような感じです。文章の内容は同じですが、箇条書きアリの方が明らかにわかりやすくなっています。
普通に文章を書く場合は箇条書きではなくても大丈夫だと思いますが、見やすく・わかりやすくしたい文章の場合は箇条書きにすると効果テキメンです。

編集作業としては、「重要なことが文章中に埋もれてて目立たない」という場合に箇条書きを提案することが多いです。執筆する際には、「重要なことなので目立ってほしい」と思われたときに、箇条書きにすることをお勧めします。
また、箇条書きにすることで、重要なことの個数がわかるという利点もあります。

箇条書きにしない場合は、「」で囲んだり番号をつけるという方法もあります。

「」で囲む Wordなどで原稿を執筆されるときは、「Wordの機能のスタイルで見出しを選択する」「番号をつけて見出しをつける」「自身で大・中・小の3つ程度の見出しスタイルを作成し使用する」などを推奨します。
番号をつける Wordなどで原稿を執筆されるときは、1)Wordの機能のスタイルで見出しを選択する、2)番号をつけて見出しをつける、3)自身で大・中・小の3つ程度の見出しスタイルを作成し使用する、などを推奨します。

こちらは、箇条書きにするほどの重要度ではない場合に「このカッコの中が重要なことですよ」などと伝える場合に有効です。編集作業としては、重要度があまり高くない場合や、ページの都合上、箇条書きにして行数を増やせない場合などに提案します。
また、どこまでが一括りなのかわかりにくい場合にも、「」や番号をつけることで対応できます。

余談ですが、トーク術の1つとして、「覚えてほしいことが3つあります。1つ目は〇〇、2つ目は・・・」と「数字」をあげてから重要なことを話す、というものがあります。
これぞまさしく文章でいう箇条書きになります。

2-3.図表で解説した方がわかりやすいものは図表にする(180903)

2-3-1.医学書の場合

原稿として図・写真・表をいただくことは多いのですが、編集作業として、図・写真・表の追加や依頼することもあります。

どのような時かというと、1つの原稿にたいして図・写真・表の数が少ないからということではなく、「この本の読者対象や原稿の内容や流れから、この説明には図があった方が読者はわかりやすいだろうなー」などと思った時に提案させていただくことが多いです。

本を読むときは、その内容をイメージしながら読む進めると理解が増すと思っています。イメージさせるためには図・写真が必要になりますので、編集作業時には、読者対象を意識したうえで本文を読みながら図・写真の必要性についても検討しています。読者対象によって「読み手の知識」が異なるので、どこまで図・写真で補足するのかも重要になります。
このようなことを考えながら本文を読んでいます。「この部分、図がないけど読者はわかるかな?」「ここは重要ではないから図はなくても大丈夫かな」「ここは写真よりも図の方がわかりやすいかな」「初学者向けなら図は必要だけど、専門家向けだから図がなくても大丈夫だろう」

また、前述の箇条書きにするということとも関係するのですが、本文中に「この記述は表としてまとめた方が見やすいな」と思ったものは提案させていただきます。

「この説明、図・写真がなくても、読者は理解できるかなー」ということを意識されながら執筆されるとよいかと思います。

「読者は理解できるかなー」が一般の人向けだと、医療者とは「読み手の知識」が全く異なるので、ホームページや患者向け資料では注意が必要になります。

2-3-2.ホームページや患者向け資料の場合

仕事上、いろいろな病院のホームページを見るのですが、患者への疾患や治療のページに写真や図がなく文章だけ、というホームページをよく見かけます

ホームページに時間やお金をかけられない、説明は患者が来院された際に行うのでホームページでのわかりやすい説明は不要、など思われているのかもしれませんが、今や、ホームページは受診動機の大きな要素です。
特に「不安で知りたいことが多い」「事前に情報を知っておきたい」「どんな手術をするのか知りたい」「術者の力量を知りたい」など外科系の場合は、ホームページでの説明を重視しますので、図・写真を使ったわかりやすい説明をされることをお勧めします。

例えば、眼科のクリニックで、「当院は日帰り白内障手術を行なっています」というような文章だけを書いているクリニックよりも、「白内障について」「手術の内容(手順や術後について)」などを図や写真を用いてわかりやすく解説しているクリニックの方が「受診しようかな」と思います(他にも要因はありますが)。

また、疾患・治療の説明で、「解剖・組織の話しをしているのに、図がない」ということも多いです。解剖図を1つ用意するだけでも、理解度が全然変わってきます

「理解していただきたい説明ページ」には、図・写真を有効に使用することをお勧めします。

これは、ホームページだけではなく、患者に配布用の資料も同様です。
患者配布用資料では、簡略化した図を入れて理解度を上げるだけではなく、挿絵を入れるだけでも見た目の柔らかさが変わります。読みやすい印象を与えるためにも図を入れることは重要かと思われます。

自由診療の形成外科や美容皮膚、眼科などの医療機関ホームページでは、疾患・手術の説明のわかりやすさに雲泥の差がありますので、いろいろと見比べてみてはいかがでしょうか。

2-4.一般向けは文章を短くする(180905)

文章が長く文字ばかりなので一目見ただけで「読みたくない」と思ったことはありませんか。
しっかりと読みたい・勉強したい、などの場合は長く文字ばかりでも問題ないのですが、ちょっと読みたい・知りたいことを探している・概要がわかればよい、などの場合は短い文章や見出しを上手に使っている文章の方が読まれる可能性が高くなります(図や写真があるとなお良し)。
説明が丁寧に書いてあるのは良いのですが、長すぎると途中で読むのをやめてしまうこともある、ということです。

医療機関のホームページも同様で、「医学的にしっかり伝えたいこと」だとしても、長い文章で書かれていたら「読むのが大変そう」と思われてしまいます
このページの訪問者は詳細に知りたいのか、簡潔に知りたいのか、などを考えて書かれることをお勧めします。長くなる場合は、見出しを適度につけて文章を短くして読みやすくしてください。

「医師が伝えたいこと」と「一般の人が知りたいこと」はイコールではありません
患者は基本的に、疾患・検査・手術の「歴史」や「背景」はあまり興味ありません。
「伝えたいこと」と「知りたいこと」が異なると思われる説明は、読まれる可能性が少なくなりますので、知りたいことを簡潔かつわかりやすく説明するページ、を目指すと良いかと思います。

文章を短くするだけで良いということではなく、一般の人にわかりやすい書き方にすることも重要です。大学病院の疾患・検査・手術の説明は、難しいものが多い気がします。。。

一般の人向けの配布物も同様です。
文章は短めにし、図・写真・表を多用し、見やすくわかりやすいものを目指しましょう。