若手医師をどうやって集めるか

先日、救急医学会総会に参加してきました。パネルディスカッション「救急医をめざす若者を増加させる戦略-施設で取り組むこと、地域で取り組むこと、学会で取り組むこと」で、先生方や学会が医学生や研修医に行っていることについて発表やディスカッションがありました。

若手医師を集めることに興味があり、拝聴しながら気になったことや思ったことがありましたので、自分なりにまとめてみました。

若手向けのセミナーの目的をどうするか

医学生や研修医に救急に興味をもってもらうためのセミナーが、全国で行われている。内容は各セミナーで異なるが、救急に必要な手技や知識、考え方などを学べる、若手にとって有益なセミナーになっていることは想像に難くない。

しかし発表によると、セミナー参加者の中で救急医の道に進んでいる人は少ないとのこと。おそらく、セミナーに参加した若手は、「救急に進みたいから参加」したのではなく、「知識として救急を学びたいから参加」した人が多いのであろう。後日、参加者に進路の聞き取りを行うのなら、申し込み時点で救急への進路を希望しているか・セミナー後にどう変化したか・数年度に何科に進んでいるか、と最低三段階で聞き取りを行うと良いのではないか。申し込み時点で救急に進む予定の人数が少なければ、救急医の道に進んでいる人が少ないのは、当然のことでもある。

そこで考えなければいけないことは、セミナーを開催する目的が「参加者した若手に救急に進んで欲しい」というのであれば、「これをきっかけにして救急に進む決断をして欲しい」という目玉(キラーコンテンツ)を用意することだと思う。そのキラーコンテンツがセミナー後に効果が出たかを検討し、ブラッシュアップしていくことが重要かと思われる。

宣伝対象と宣伝方法について

救急医学会では「救急医をめざす君へ」というサイトを若手救急医を中心に立ち上げ、情報発信を行っている。プライマリ・ケア連合学会の「総合診療医という選択」同様、若手向けの情報発信サイトとして、すばらしいサイトを運営している。

今回のディスカッションで、「救急に興味がある人は当サイトを見るが、興味がない人は見ないので、興味がない人のために直接触れ合う機会のあるセミナーなどが必要」という話しがあった。確かに、興味がない人はサイトを見にいかないので、サイトに代わる手段としてセミナーは必要である。しかし重要なのは、サイトの代わりにセミナーがあるのではなく、サイトとセミナーをつなげ、両方とも活用することだと思う。

若手の救急への興味の流れとしては、
 救急に興味がない→興味をもつ・興味がある→調べる→救急医になることを決断する
と考えられる。

興味がない人にきっかけを作るのが「セミナー」で、興味をもっている人が調べる場所の1つが「サイト」となる。よって、セミナーでは前述したキラーコンテンツで若手に「救急に進むこと」に興味をもたせ、サイトへ誘導する宣伝を行い、サイトでは救急に興味がある若手を後押しするコンテンツを提供する、というような流れが良いのではないか。

また、サイトに訪れる若手は、救急の魅力や良いことばかり知りたいわけではなく、それぞれ抱えている不安を解消したいのではないかと思う。不安は、セミナーの参加者に聞き取りができるのと思うので、聞き取りした内容を「サイト」に掲載させるなど、セミナーとサイトの連携ができるとなお良い。

人集めは難しい

2019年5月に開催されたプライマリ・ケア連合学会では「後期研修プログラム紹介」ブースがあり、全国から120ブースが展示され、専攻医や医師の募集を宣伝していた。何人かに話しを伺い、また、持ち帰れる資料はいただき後日拝見し、募集サイトもすべて拝見した。

救急医学会では機器展示会場に宮崎と長崎がブースを出展されていた。

山間部や過疎地、離島がある地域などは、若手にかぎらず医師全般を集めることに苦労されているところが多い。そのような地域で診療・研修を行う人は、何かしらその土地に関係している人が大半だろう。出身者やその地域の大学出身者・大学で初期研修を行ったなど。地域に関係していない人を呼び込もうとするなら、宣伝内容が重要になる。

その場合、直接触れ合うことは難しいので「サイト」を活用することになる。「情報を伝える」だけではなく、「地元に関係ない人・地元をよく知らない人を呼び込む」ように作ると、魅力的なサイトになるのではないか。