編集者からみた、原稿執筆の一工夫:3-3.メインの読者は誰なのか

これは書籍や媒体のコンセプトにも関する重要なことなのですが、メインの読者・読み手が誰なのかによって企画内容や執筆内容が変わってくるということです。

3-3-1.書籍の場合

例えば、「読者対象は、研修医、医学生、看護師、看護学生」という入門書があるとします。

研修医と看護学生では知っている知識や求める知識は異なる(前述の言葉を使えば、「前提」と「目標」が異なる)ので、
「研修医がメインの読者対象で、(勉強熱心な)医学生・看護師・看護学生も読める入門書」
というのと、
「看護学生がメインの読者対象で、(改めてイチから勉強したい)研修医・医学生・看護師も読める入門書」
というのは、内容や難易度が全く異なります。

また、メインの読者対象を決めずに「研修医・医学生・看護師・看護学生みんなが同列の読者対象」とすると、どっちつかずに内容になる可能性が高くなります。

販促・宣伝は「研修医・医学生・看護師・看護学生が読者対象」とした方が読者対象へのリーチとなりますが、企画・執筆の際はメイン読者対象を決め、その読者向けにした方がより大きな成果が出ると思います。

「研修医や一般臨床医向けの〇〇診療の書籍」なども、研修医向けなのか一般臨床医向けなのかで、「前提」と「目標」が異なります。
「一般臨床医がメインの読者対象で、勉強熱心な研修医も読める書籍」なのか、「研修医がメインの読者対象で、改めてイチから勉強したい一般臨床医も読める書籍」なのかで、内容が異なります。

3-3-2.ブログの場合

書籍と異なり、ブログでは読者対象の一貫性はあまり重要ではないので、ブログのテーマを厳密に決めていない場合は、おもむくままに執筆していただいて大丈夫だと思います。

ただし、ブログがある程度まとまったら書籍化を検討したい、と思っている場合は、書籍化についての検討は初期段階ですべきです。
というのも、ブログはその時思っていることを自由に書いていることが多いと思いますので、そのまままとめても書籍として体をなさないことがほとんどだからです(タレント本などは別ですが)。

読者対象やおおまかな目次を決めてから執筆した方がよいかと思います。