編集者からみた、原稿執筆の一工夫:2-3.図表で解説した方がわかりやすいものは図表にする

2-3-1 医学書の場合

原稿として図・写真・表をいただくことは多いのですが、編集作業として、図・写真・表の追加や依頼することもあります。

どのような時かというと、1つの原稿にたいして図・写真・表の数が少ないからということではなく、「この本の読者対象や原稿の内容や流れから、この説明には図があった方が読者はわかりやすいだろうなー」などと思った時に提案させていただくことが多いです。

本を読むときは、その内容をイメージしながら読む進めると理解が増すと思っています。イメージさせるためには図・写真が必要になりますので、編集作業時には、読者対象を意識したうえで本文を読みながら図・写真の必要性についても検討しています。読者対象によって「読み手の知識」が異なるので、どこまで図・写真で補足するのかも重要になります。
このようなことを考えながら本文を読んでいます。「この部分、図がないけど読者はわかるかな?」「ここは重要ではないから図はなくても大丈夫かな」「ここは写真よりも図の方がわかりやすいかな」「初学者向けなら図は必要だけど、専門家向けだから図がなくても大丈夫だろう」

また、前述の箇条書きにするということとも関係するのですが、本文中に「この記述は表としてまとめた方が見やすいな」と思ったものは提案させていただきます。

「この説明、図・写真がなくても、読者は理解できるかなー」ということを意識されながら執筆されるとよいかと思います。

「読者は理解できるかなー」が一般の人向けだと、医療者とは「読み手の知識」が全く異なるので、ホームページや患者向け資料では注意が必要になります。

2-3-2 ホームページや患者向け資料の場合

仕事上、いろいろな病院のホームページを見るのですが、患者への疾患や治療のページに写真や図がなく文章だけ、というホームページをよく見かけます

ホームページに時間やお金をかけられない、説明は患者が来院された際に行うのでホームページでのわかりやすい説明は不要、など思われているのかもしれませんが、今や、ホームページは受診動機の大きな要素です。
特に「不安で知りたいことが多い」「事前に情報を知っておきたい」「どんな手術をするのか知りたい」「術者の力量を知りたい」など外科系の場合は、ホームページでの説明を重視しますので、図・写真を使ったわかりやすい説明をされることをお勧めします。

例えば、眼科のクリニックで、「当院は日帰り白内障手術を行なっています」というような文章だけを書いているクリニックよりも、「白内障について」「手術の内容(手順や術後について)」などを図や写真を用いてわかりやすく解説しているクリニックの方が「受診しようかな」と思います(他にも要因はありますが)。

また、疾患・治療の説明で、「解剖・組織の話しをしているのに、図がない」ということも多いです。解剖図を1つ用意するだけでも、理解度が全然変わってきます

「理解していただきたい説明ページ」には、図・写真を有効に使用することをお勧めします。

これは、ホームページだけではなく、患者に配布用の資料も同様です。
患者配布用資料では、簡略化した図を入れて理解度を上げるだけではなく、挿絵を入れるだけでも見た目の柔らかさが変わります。読みやすい印象を与えるためにも図を入れることは重要かと思われます。

自由診療の形成外科や美容皮膚、眼科などの医療機関ホームページでは、疾患・手術の説明のわかりやすさに雲泥の差がありますので、いろいろと見比べてみてはいかがでしょうか。