企画書関係は重要な設計図- 2 中核となる執筆要項

前回は、企画書で検討すべきことを述べたので、今回は「執筆要項」について述べる。

企画書は「このような書籍を考えているんですよ」ということを伝えるもので、執筆要項は「このようなことを書いてください。また、書くときの注意事項にこんなことがありますよ」ということを伝えるものです。

つまり、原稿執筆の際に重要となるのは執筆要項になります。
執筆要項で、求める原稿内容を明確にしておかないと、企画書にまとめたコンセプトや特徴と異なる原稿になる可能性が高くなります。
また、分担執筆の場合、執筆要項がしっかりまとまっていないと、原稿にバラつきがでやすくなります(各執筆者が思いおもいの原稿を書くため)。

執筆要項でどこまで執筆内容を求めるのかは書籍のコンセプトによりますが、制作作業に入ってから加筆・修正などを少なくするためには、しっかりと検討しておく必要があります。

例えば、以下のような企画を考えるとします。

・研修医向けの診療本
・研修医が治療を行える場合は、治療法を記載
・研修医が治療を行えない場合は、上級医または専門医にコンサルする

この場合、執筆要項に

【治 療】
・研修医が行える場合:研修医が行える治療については、治療法について解説をお願いします
・研修医が行えないぐらい専門性が高い場合:上級医や専門医へのコンサルについて解説をお願いします

などと記載する。
「コンサルについて」の解説は、「コンサルのやり方、どのようにコンサルするのか」と考えられるが、もう少し掘り下げてみる。
“コンサルはしつつ研修医もできることがあればそれも解説してもらおう”と考えれば、そのことについても追加する。
”コンサルする場合、研修医でもできることは解説してもらうが、このままでは実際にどんな治療をするのかの解説はなくなる。研修医も知っておくべき治療法は、「専門医が行う治療」などとして解説してもらう”となると、そのことについても追加する。

ここまでくると、先ほど内容は以下のようになる。

【治 療】
・研修医が行える場合:
 1.研修医が行える治療については、治療法について解説をお願いします
・研修医が行えないぐらい専門性が高い場合:
 1.上級医や専門医へのコンサルについて注意点を踏まえて解説をお願いします
 2.「研修医でもここまでは行える・ここまでは行ってほしい」という治療や対処がありましたら解説をお願いします
 3.実際の治療法について研修医も勉強しておいた方が良いと思われるものは「専門医が行う治療」として、その治療法について治療名と簡潔な解説をお願いします

変更前と変更後では、明らかに「研修医が行えないぐらい専門性が高い場合」で求める内容が異なっている。
企画のコンセプトによって、どちらの内容がよいかは異なるが、変更後のように「こんな内容を解説してもらいたい」としっかり検討できるのであれば執筆要項に記載すべきである。

上記は簡単な例ではあるが、とにかく、「解説してもらいたい内容をしっかり考え、それを解説してもらうように執筆要項に記載する」ことが重要になってくる。

執筆要項をしっかり書くことは、執筆者への依頼を明確にするだけではなく、企画担当者以外に制作作業を行う人がいる場合、制作作業者に「この部分はこんなことを解説してもらってます」と伝えるために重要となる。
「解説してもらいたい内容が書かれていない場合は、加筆してもらう(不足してる部分を補う)」などの判断ができるのは、執筆要項がまとまっているからである。

ということで、執筆要項をしっかり考えることは重要ではあるが、「企画書関係は重要な設計図」というにはまだ足りないので、続きは次の記事で。