macOS用 日本語テキストエディタ「mi」で用語統一の精度をあげる
「〜してください」「〜して下さい」
「たんぱく質」「タンパク質」「蛋白質」
「あわせて」「併せて」「合わせて」
「この時」「このとき」「その時」「そのとき」
漢字か平仮名どうしましょ?
ルールは決めていても、忘れちゃう・見逃しちゃう。
そんな時に、macOS用 日本語テキストエディタ「mi」を使うと用語統一の精度があがります。
1.「mi」(エムアイ)とは
以前は「ミミカキエディット」と呼ばれていた、高機能だけどお手軽に使えるテキストエディタです。
公式ページはこちら:「mi – テキストエディタ」
・2020年11月13日時点での最新バージョン:バージョン3.0.4r1(2019年10月23日更新、macOS 10.9以降)
Windows版もありますが、公開日が2011年9月11日(動作環境:Windows XP / Vista / 7)です。
2.基本となる方法
1.以下のデータを用意する(データA)。
・奇数行に「検索文字」
・偶数行に「置換文字」
例:下さい→ください、たんぱく→蛋白、タンパク→蛋白、この時→このとき、その時→そのとき
2.検索・置換文章をmiで開き、選択する。
3.「検索/置換」から「特殊な検索」の「一括置換」を選択し、データAを選択する。
4.選択した箇所が、データAの内容で検索・置換される。
たんぱく→蛋白、下さい→ください、この時→このとき、と変換されています。
この方法を応用します。
3.応用する考えかた
1.置換後の用語がわかるように「●」を頭につけておく。
2.これで検索・置換をすると、置換された場所がわかる。
「蛋白」「ください」「このとき」が置換されたことがわかる。
3.以下のような文章(この時期)があると、どうなるか。
4.このようになる。
5.「●このとき期」となってしまう。これでも良し、と思えばこのままでOK。元に戻したいと思えば、以下のように変更。
「●このとき期」を「この時期」に変換する設定をする。
6.これで検索・置換をすると、こうなる。
検索・置換はデータAの上から順に行うので、「この時」「このとき」の後に「●このとき期」「この時期」を書いておけば余計な置換は残らない。
4.実践する
今までの方法・考え方を踏まえて、社内用語統一ルールや書籍用語統一ルールのデータAを作成し、想定外の置換が行われている箇所は修正設定をしておくと、見逃しがなくなります。
1.原稿を1つずつ検索・置換し、データAの精度をあげていく。
Wordなどの原稿を1つずつmiにコピーし、検索・置換を行い、想定外の置換を修正したり、新しい用語をデータAに登録していく。1つずつ検索・置換の作業を行うことになるが、精度はあがっていく。
2.届いている原稿をまとめて検索・置換する。
miにまとめてコピペし、一気に検索・置換をする。精度は変わらないが、検索・置換の作業は楽になる。
3.入力ミスもチェックする。
統一ルールだけではなく、執筆者が間違えやすい用語も登録していけば、精度はあがっていきます。
例:ELTの「伊藤一郎」→「伊藤一朗」
以上。